GRAM

2007/09/26

HALFBY // SIDE FARMERS

気にはなりながら、遂に買ってしまったHALFBY // SIDE FARMERS このアーティストも初購入だ。マニアックな人気があり、PVの再現をしようなんていう動画なんかも有名だ。インテリアショップでそのPV (not再現)が流れていることも多い。それに感化されたわけではないのだが・・・ コンピアルバムで気に入った曲がHALFBYだった。例のPVの曲も気に入っていた。2曲好きな曲があるなら買って損はしない、それが購入理由だ。

結論から言えば、何度でも聴ける耐久度を持つポップなアルバムだ。

予め知っていた「HALFBEAT」「SCREW THE PLAN」のイメージを全く裏切らない、全編ポップでカラフルなElectronicaである。“悲しいときに明るい曲を聴くことは逆効果で、さらに気落 ちしてしまう”と言うが、まさにこの音楽はそんな“凹んでいるときに聴いちゃいけない音楽”だ。パーティミュージックと言っても良いかもしれない。底抜け の明るさがあり、ハッピーな気分に浸れる。

正直言って、じっくり聴くタイプの音楽はない。それは褒め言葉でもある。ほとんどの曲で歌声が フィーチャーされているが、それは子供の声や空耳に聞こえる男の声など、真剣に聴かせるタイプの歌になっていない。お祭りの音楽のような、あるいはテーマ パークに流れているBGMのような、楽しいイメージを想起する音楽だ。Electronicaとはいえ、音色は殆どアナログな楽器の音であり、上記の声と合わせて角がない。

これまた、過去のアルバムも揃えたくなった。


ちなみに、悲しいときに聴くと効果的な音楽は「悲しい曲」なのだそうだ。そして、マニアックな人気というものを知りたければ、『中曽根オフ』で検索すればいい。

口ロロ // Golden Love

口ロロ // Golden Loveは日本のブレイクビーツ・ユニット“くちろろ”の最新アルバムだ。「Twilight Race」という曲に惚れて、同曲を収録するアルバム『FANFARE』を買うか、新作を買うかで悩んだ結果、この『Golden Love』を購入した。これが口ロロの初購入作だ。

ブレイクビーツ・ユニットって言うのはオフィシャルサイトでのプロフィールによる表現だ。wikipediaなんかではポップ・ユニットと表現されるし、Hip Hopでも間違いではないし、JPopなどと乱暴に言ってしまっても間違いではない。坂本龍一の設立したレーベルcommmonsからデビューといえばイメージが湧くのかも知れない。とにかく曲はポップでキャッチーで、グルーヴィで洒落ている。

彼らの曲はHip Hopの何らかのジャンルに偏ることが無い。RIP SLYMEにどことなく似ていることもあるし、SOUL SCREAMっぽいと感じる曲もある。ふとCAPSULEを思い浮かべることもある。アルバムを通して聴くと一曲一曲異なる空気があり、それでいて全編通してポップさが滲んでいる。それがとても心地よい。この多彩な音楽像こそが口ロロなのだろうと思う。「COSMIC DANCE」「サブマリンのせい」「Starflight」の3曲を聴いて、同じアーティスト、同じアルバムとは思えないだろう。このような一貫したポップさを持った多彩さは、m-floにも似ている。

さらっと最後まで聴けてしまい、そして再び最初から聞きたくなるアルバムだ。とりあえずサイフと折り合いが付いたら、順に過去のアルバムを揃えてみたくなった。

Arch Enemy // Rise of the Tyrant

巷では最高傑作なんて言われているArch Enemy // Rise of the Tyrantを1週間悩んだ末に買った。最高傑作かどうかは別として、たしかにこれは素晴らしいアルバムだ。

個人的な嗜好を先に述べておくと、俺は初期3作が好きだ。アンジェラ・ゴソウ加入後のArch Enemyは、“女性Vo.とは思えないデス声が魅力のバンド”という色物になっている感がある。彼女の声はたしかに力強いし、男のそれと比べれば明快な 発音には違いないが、女性がデス声で歌うというのは異色でしかないように感じる。男の裏声と一緒だ。発声に混じる高い声色が耳障りに思う。

話を戻す。

そういった声に対する好き嫌いを置いておけば、このアルバムの楽曲はとにかく質が高い。傑作といわれたアンジェラ加入直後の4thアルバム『WAGE OF SIN』以降のアルバムは、全体にメロディが減衰しプログレ的になっている感があり、結果的につまらない曲が多かった。それが本作を買う上での懸念だったのだが・・・

蓋を開けてみれば、本作は原点回帰をして期待通りのメロデスをしている。いちいち格好いいギターリフが飛び出すし、アモット 兄弟はヤケクソの如く弾きまくるし、2人のユニゾンはArch Enemyのデビュー作で惚れ込んだそれになっている。その上で、アンジェラが激しく叫び、タイトなリズムをドラムとベースが刻んでいる。この演奏力は圧 倒的で、いくらフォロワーが多いArch Enemyと言えど、他のバンドが早々たどり着けるレベルではない。

曲の構成力に関しては言うまでもない。「The Last Enemy」や「In This Shallow Grave」「Vultures」なんて、メロデスってのはこういうものだ!と言わんばかりに、激しさと美しさの怒濤の展開を見せる。アメリカに影響され てグルーヴ重視の曲が増えつつあるメロデスの世界で、大御所たる実力を見せつけている。


この作品はArch Enemyの健在振りを感じさせる傑作だ。個人的にはまだ初期3作の感動に及ばないのだが、また次の作品で「Bury Me An Angel」の感動を味わえるのではないかと期待してしまうクオリティを持っている。