GRAM

2008/05/10

Story of the Year // The Black Swan

デビュー以来、圧倒的な演奏力と作曲能力で世界を席巻してきたStory of the Yearの3作目『The Black Swan』が発売された。今作は名門エピタフ・レコードからの発売ともあり、注目度の高いアルバムである。

1. Choose Your Fate
2. Wake Up
3. The Antidote
4. Tell Me
5. Angel In The Swamp
6. The Black Swan
7. Message To The World
8. Apathy Is A Deathwish
9. We're Not Gonna Make It
10. Cannonball
11. Terrified
12. The Pale Blue Dot
13. Welcome To Our New War
14. Never Let It Go
15. The Truth Shall Set Me Free
16. The Virus
17. Turn Up The Radio
18. Save One


本作の特徴は、プログレのような曲作りをしていることにあるだろう。ハードロック色を押し出しシンプルに構成された前作に比べると、本作は次々とリズムを変え、リフを変え、複雑な曲を構成している。1stで見せた叙情性も本作では戻っており、1stのファンには嬉しい曲調だろう。彼らの歌詞は元々社会風刺的な物が多く、メッセージ性の強い物が多い。それに加えて本作では1曲の中で様々な場面が繰り広げられるため、メッセージ性はこれまでよりずっと強い物となっている。純粋なロックには違いないが、音楽はより力強く崇高な物になっている。

したがって、本作は音楽としての質は過去最高と呼べるだろう。しかし、前作のようなわかりやすいスクリーモを聴きたい人間にとっては、このアルバムは複雑すぎると言わざるを得ない。

この変化は、良いことと悪いことのどちらで捉えるべきか難しい変化だ。私の場合、彼らの音楽で惚れ込んでいるのは2ndの"シンプルでテクニカルなハードロック"であり、ここまで複雑な音楽は求めていない。1曲リピートをしたくなるようなキャッチーな曲がないのはこのアルバムの欠点といえるだろう。しかし、このアルバムの「Choose Your Fate」「The Antidote」「The Black Swan」「Pale Blue Dot~Welcome to Our New War」といった曲を聴くと、複雑さが生み出すメッセージ性を強く感じ、惚れ惚れしてしまう。テクニックも本作の方が存分に発揮されているし、歌詞に惚れている人にはこのアルバムは素晴らしいと感じられる事だろう。

ともかく、SOTYにとって一段階踏み込んだアルバムである事は間違いない。私の場合、前作に比べてしまえばイマイチなアルバムであるのだが、純粋に本作のみを評価すれば素晴らしいアルバムである。これだけテクニカルで、強いメッセージを曲に込められるバンドも少ない。心から傑作と言えるアルバムを次回に期待してしまう。

Story of the Year オフィシャルサイト

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